あの夏の決闘
決闘といえば、覚えてるかい?
あの暑い夏の出来事を
いんや、おら 忘れてしまっただ
近頃物忘れがひどくてね
自分のいえさえ忘れるしまつで今日も他人の家の玄関まで行ってしまったよ
そりゃあかんぜよ、
儂も先日息子から電話が届いてね、
お金が足りなくなったから、振り込んでほしいんだとよ、
振り込んでから気づいたんやけどな、
儂息子おらんかったんよ
カカカカカ
まんまとしてやられてんでねーの
それはまさか今流行りのおでおでさぎっちゅうもんだ
おらも昔電話きたけんど馬鹿いってんでねって追い返しただ
まったく、ブチ悔しいわ
しょーもないような罠に騙されたんじゃ、世の中の若いもんに示しがつかんなぁ
まったくや
今の若者ときたらくる日もくる日も私利私欲にとりつかれて頭の中は金儲けのことばかり
むかしゃ男も女も子供だって草鞋つくっておって幸せだったなぁ
朝は鶏の鳴き声で目覚め、
畑や田んぼを耕し
日が沈んだら眠る、
たしかに今の生活は便利じゃ
しかしのう、現代にはこころのゆとりっちゅうもんがなくなってきちょる
どっちが幸せだったかといえば
やはり昔の方がよかったのぅ
まさに鶏鳴狗盗やな
ちがうか
がはははは
ドラえも~ん
ドラえも~ん
ジャイアンにいじめられたよ~
ジャイアンのいない世界にいかせて~
わかった
「タイムマシン」
てなればおらも明治にいけるんじゃがな
いや、そりゃ無理な相談だ。
私たちは今を生きている。
それは私たちに与えられた使命であるのだから。
精一杯生きて。
精一杯楽しんで。
精一杯死ぬ。
それが人生ってもんさ。
とな、昔の友人Bobが言っていたんじゃよ、
その時は何を言ってるのかさっぱりわからんかったが、今ならわかる。
彼の言いたかったことがな…
いい言葉じゃ
身に沁みてかんじけり
だがバカヤロー
それを真に受けてええんか!
彼はアメ公じゃろ
そんな下衆の言葉は信じるじゃない
今に見ておれ
おらが特攻隊神風となってあの巨大戦艦に突っ込んではかいしちゃる
あかんあかん、怪我しちょる
諸行無常や
どうしタッ
大丈夫か?
おい、弾は心の臓まで達してはおらんぞ
しっかりせい
もう米兵にかんずかれたというのか
このままではこの基地もあぶない
一旦三里後退して米軍の出方をうかがおう
しかし山田隊長は足を地雷でなくしたばかりだ
隊長は置いていってもいいじゃろか
………
「死して屍拾うものなし」
隊長ならこう言うやろな
だがの、儂は…誰かを犠牲につかむ未来は嫌じゃ
救える命があるなら……救いたいんや…
んなことわかってるよ
わかってるけど…
わかってるけどこのままじゃわてらも死して骸となるだけじゃ
米軍はもう目と鼻の先じゃ
もう一刻の猶予も許されんじゃろう
今ここで隊長なんかおぶってにげてみろ
隊長諸共名誉の戦死は目に見えている
そしたら隊長の遺言「パンツだけは許さない」はだれが受け継ぐんだ?
お前が…お前が受け継げ…
言わんかったがな、儂ゃ癌なんじゃ、
しかも悪性のな
儂が最後にできることといったら
これくらいや
なんじゃて!
だがこの戦争中に癌も糞もあるか!
もうええ
もうええ
そんなことせんでも
パンツなんかやぶランでも…
おまんが褌を愛していることはわかっちょる
おまんは本当に律儀なやつだ
最後までそうやって隊長の遺言に従おうとして
けどもおらはおまんを死なせねぇだ
そこでマッチョれ
おらがこの基地を一人でまもりきってみせん
「天皇万歳 」
無理だ、そんなん…
それこそできんじゃろ!!
お前はまだ未来があるんだ!
待ってる人がいるんじゃろぅ!
そうさ おらはまだわけぇ
しかしこの人生にはもう飽き飽きじゃ
結婚したときはあやつは人間だとおもっとった
だがいつの日だったか妻と崖に散歩に行ったときのことだった
妻が崖の上から海を眺めていたら突然崖が崩れて崖の下に落ちていったんじゃ
幸い崖の途中の木の枝をつかんで死は免れた
しかし妻はもうどうすることもできんかった
そういうサイアークで超緊迫した場面で通り掛かりのひとに妻は「お前はトマトだ」
そう言われたんじゃよ
赤い服をきてたもんだから
そこで気付いたんだ
妻はトマトだったって
もちろん赤い服というのは実は服ではなかった
地黒ならぬ地赤
つまりトマトの色素
てな訳でおらは玉砕覚悟で奮闘する
五十年後あの世で会おう
あの暑い夏の出来事を
いんや、おら 忘れてしまっただ
近頃物忘れがひどくてね
自分のいえさえ忘れるしまつで今日も他人の家の玄関まで行ってしまったよ
そりゃあかんぜよ、
儂も先日息子から電話が届いてね、
お金が足りなくなったから、振り込んでほしいんだとよ、
振り込んでから気づいたんやけどな、
儂息子おらんかったんよ
カカカカカ
まんまとしてやられてんでねーの
それはまさか今流行りのおでおでさぎっちゅうもんだ
おらも昔電話きたけんど馬鹿いってんでねって追い返しただ
まったく、ブチ悔しいわ
しょーもないような罠に騙されたんじゃ、世の中の若いもんに示しがつかんなぁ
まったくや
今の若者ときたらくる日もくる日も私利私欲にとりつかれて頭の中は金儲けのことばかり
むかしゃ男も女も子供だって草鞋つくっておって幸せだったなぁ
朝は鶏の鳴き声で目覚め、
畑や田んぼを耕し
日が沈んだら眠る、
たしかに今の生活は便利じゃ
しかしのう、現代にはこころのゆとりっちゅうもんがなくなってきちょる
どっちが幸せだったかといえば
やはり昔の方がよかったのぅ
まさに鶏鳴狗盗やな
ちがうか
がはははは
ドラえも~ん
ドラえも~ん
ジャイアンにいじめられたよ~
ジャイアンのいない世界にいかせて~
わかった
「タイムマシン」
てなればおらも明治にいけるんじゃがな
いや、そりゃ無理な相談だ。
私たちは今を生きている。
それは私たちに与えられた使命であるのだから。
精一杯生きて。
精一杯楽しんで。
精一杯死ぬ。
それが人生ってもんさ。
とな、昔の友人Bobが言っていたんじゃよ、
その時は何を言ってるのかさっぱりわからんかったが、今ならわかる。
彼の言いたかったことがな…
いい言葉じゃ
身に沁みてかんじけり
だがバカヤロー
それを真に受けてええんか!
彼はアメ公じゃろ
そんな下衆の言葉は信じるじゃない
今に見ておれ
おらが特攻隊神風となってあの巨大戦艦に突っ込んではかいしちゃる
あかんあかん、怪我しちょる
諸行無常や
どうしタッ
大丈夫か?
おい、弾は心の臓まで達してはおらんぞ
しっかりせい
もう米兵にかんずかれたというのか
このままではこの基地もあぶない
一旦三里後退して米軍の出方をうかがおう
しかし山田隊長は足を地雷でなくしたばかりだ
隊長は置いていってもいいじゃろか
………
「死して屍拾うものなし」
隊長ならこう言うやろな
だがの、儂は…誰かを犠牲につかむ未来は嫌じゃ
救える命があるなら……救いたいんや…
んなことわかってるよ
わかってるけど…
わかってるけどこのままじゃわてらも死して骸となるだけじゃ
米軍はもう目と鼻の先じゃ
もう一刻の猶予も許されんじゃろう
今ここで隊長なんかおぶってにげてみろ
隊長諸共名誉の戦死は目に見えている
そしたら隊長の遺言「パンツだけは許さない」はだれが受け継ぐんだ?
お前が…お前が受け継げ…
言わんかったがな、儂ゃ癌なんじゃ、
しかも悪性のな
儂が最後にできることといったら
これくらいや
なんじゃて!
だがこの戦争中に癌も糞もあるか!
もうええ
もうええ
そんなことせんでも
パンツなんかやぶランでも…
おまんが褌を愛していることはわかっちょる
おまんは本当に律儀なやつだ
最後までそうやって隊長の遺言に従おうとして
けどもおらはおまんを死なせねぇだ
そこでマッチョれ
おらがこの基地を一人でまもりきってみせん
「天皇万歳 」
無理だ、そんなん…
それこそできんじゃろ!!
お前はまだ未来があるんだ!
待ってる人がいるんじゃろぅ!
そうさ おらはまだわけぇ
しかしこの人生にはもう飽き飽きじゃ
結婚したときはあやつは人間だとおもっとった
だがいつの日だったか妻と崖に散歩に行ったときのことだった
妻が崖の上から海を眺めていたら突然崖が崩れて崖の下に落ちていったんじゃ
幸い崖の途中の木の枝をつかんで死は免れた
しかし妻はもうどうすることもできんかった
そういうサイアークで超緊迫した場面で通り掛かりのひとに妻は「お前はトマトだ」
そう言われたんじゃよ
赤い服をきてたもんだから
そこで気付いたんだ
妻はトマトだったって
もちろん赤い服というのは実は服ではなかった
地黒ならぬ地赤
つまりトマトの色素
てな訳でおらは玉砕覚悟で奮闘する
五十年後あの世で会おう
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